体験入店は本入を決める前の”おためし勤務”

銀座や六本木の高級クラブの多くは『体験入店』というシステムを用意しています。
「体入」と、略されて呼ばれることも多いですね。
これはいわば“おためし勤務”。
つまり、お店に正式に在籍する(本入店)前に、お店でのお仕事を実際に体験するためのものです。

基本的には本入店後と同じお仕事を任されることになりますね。
夜のお仕事が初めての女性の場合には「ヘルプ」と呼ばれる、先輩キャストやママのサポートを行います。
お仕事そのものは難しくありませんし、事前に教えてもらえるので安心してください。

この体験入店システムが用意されている理由は、そこにさまざまなメリットがあるからです。
そしてこのメリットには、クラブで働きたいと考えている女性側から見たメリットと、女性を受け入れるクラブ側から見たメリットがあります。

体験入店することの意味やメリットなどを、それぞれの立場で紹介していきますね。
ざっくりとでも理解してからクラブ求人を探して応募をすると、本入店までスムーズに進むかもしれません。
お店選びの失敗も防げるでしょう。

体入をする事で自分に合う高級クラブか見極める

まずは高級クラブで働きたい女性にとってのメリットを説明しましょう。

体験入店の一番のポイントは、「自分に合う高級クラブかどうか」を見極めるところにあります。

誰でも自分と相性の良いお店で働きたいと思うものですよね。
そして、その相性は女性それぞれで異なってきます。
本入店後に、「このお店は、私に合っていなかった…」と後悔してしまうと、またお店選びから再スタートしなければいけません。

体入制度を利用し実際にキャストとして“おためし勤務”することで、「このお店、私に合うかも」や「このクラブは私との相性があまりよくなさそう」などと判断することができます。

相性の良し悪しを事前に判断でき、本入店後の後悔を避けるための制度、それが体験入店なのです。

体入で勤務した分は全額日払い

“おためし勤務”となると気になるのはお給料のことでしょう。
大丈夫です、体験入店でも働いた分のお給料は受け取ることができますよ。

体験入店は原則として1店舗につき1度きり。
何度もするものではないので、体入時のお給料は全額日払いに対応してもらえます。
お仕事が終わったらすぐにお給料を受け取ることができ、そのまま帰宅することが可能です。

体験入店はあくまでもクラブの良し悪しや相性を見極めるためのもの。
しかし、全額日払いでお給料が受け取れるので、お小遣い稼ぎのつもりで申し込んでみるのもいいでしょう。
そのくらいの軽い気持ちで、ぜひ1度高級クラブでのお仕事を体験してみることをおすすめします。

高級クラブ側も本採用時の日給の目安を決められる

ここからは、お店側から見た体験入店実施のメリットを説明していきます。
例として、こちらのサイトを見てみてください。

体験入店とは、本入店の前にお試しで働くことを指します。
面接をして、そのお店のルールなどの説明を受けたあと、実際に在籍しているキャストと同じようにお仕事をします。
体験入店 完全時給保証のチック|チックグループ

このように高級クラブは、体入時の働き方や様子などをチェックして、女性の見極めを行います。
もし本採用しお店に在籍してもらうことになった際の待遇の程度を、体験入店によって判断するのです。
特に日給の目安をつけるのに、この体入は役立ちます。

いくら綺麗で容姿端麗な女性でも、接客が上手であるとは限りませんよね。
逆に、見た目は普通でも、男性から気に入れられやすい愛嬌や会話術などのキャバ嬢としてのセンスを持った女性もいるでしょう。

体験入店を通じて女性の実力やポテンシャルを見極め、「どのくらいの日給がふさわしいのか」について正しい判断を行うことができるのです。
面接の印象だけで間違った待遇を設定して、お店側が後で「失敗した」と思わないためにも、体験入店制度が必要というわけですね。
そしてたくさんのキャストに応募してもらうために「完全時給保証」や「体験入店時も同一時給」などの制度を用意して、女性側が応募しやすい環境を整えているのです。

体入制度設ければ雇用リスクを減らすことができる

面接だけで採用か不採用か決めてしまうと、お店側が後悔することがあります。
上で説明した待遇に関しても、もちろんその一つ。
そもそも高級クラブにふさわしい女性かどうか、それぞれの店舗が求めている女性かどうかの判断も重要になってくるでしょう。

体験入店制度を利用し、1度お店で働いてもらえれば、お店側は「この子なら大丈夫だろう」と判断することができます。
体入制度がなければ、面接で「この子なら大丈夫そうだ」と思っても、実際に働いてもらったら全然仕事ができなかった、ということにもなりかねません。

センスやポテンシャルのない女性を採用してしまえば、無駄にお給料を支払う必要も出てきます。
これでは雇用リスクが高すぎますよね。

体験入店はお店側にとって、こうしたリスクを減らすことができる制度でもあるのです。

高級クラブで体験入店する時の持ち物

高級クラブの求人に応募し体験入店してみることが決まったら、持ち物を準備しておきましょう。
どのようなものを持っていけばいいのか、ざっと紹介しますね。

  • 身分証明書(顔写真付き)…本人確認のために使用。
  • 運転免許証、学生証、パスポート、マイナンバーカードなど。
  • ボールペン…メモ用。
  • スタッフやお客様との会話を書き留めておくなどするため。
  • ハンカチ…接客時、お酒の入ったグラスなどを拭くときに使用。
  • 複数枚持っていると便利。
  • 名刺入れ…体入でも名刺を用意してくれるお店あり。
    また、お客様から受け取った名刺を入れておくために必要。
  • ライター…お客様のタバコに火をつけるために使用。
  • マッチ…高級クラブではライターの代わりにマッチを使うことがあるので、用意しておくと便利。
  • ストッキング…生足NGな高級クラブもあるため。
    伝線してしまった時のために予備を用意しておくと安心。
  • ポーチ(クラッチバッグ)…スマホや筆記具、マッチなどを入れておくためのもの。

ボールペンやハンカチ、名刺入れ、ライターなどは、お店の雰囲気に合うよう、安っぽいものは避けましょう。
ポーチやクラッチバッグもドレスに合わせて選ぶのが基本です。

高級クラブに見合うようなものを用意しておくことで、体験入店でのアピールにもつながりますよ。

体験入店開始から終了までの流れ

実際に体験入店するところから、お給料を受け取るまでの流れを説明していきましょう。

  1. 高級クラブ求人を検索して、気になる店舗に応募
  2. 面接と体験入店の日時などを決定する
  3. 当日、お店に行って面接を受ける
  4. 面接後、営業前にお店のママや先輩キャストなどに仕事内容を教わる
  5. 営業中、指示に従ってお客様や他のキャストのいるテーブルにつく
  6. お酒作りや片付け、お客様とのお話相手などを事前に教わった通りにこなしていく
  7. お仕事終了後、ママやスタッフなどと簡単な反省会を行う
  8. 本入店する意思があるかどうかの確認を受けるので答える
  9. 体験入店分のお給料を受け取る
  10. 本入店するのであれば、次回のお仕事の予定(シフト)などを決める

本入店の意思の確認はお給料を支払ってもらった後に行われることもあります。
答えを保留したとしてもお給料の額が減ったりなどすることはないので、正直な感想を伝えましょう。
わからないことや相談事があれば、営業終了後に尋ねてスッキリとさせておいてくださいね。

体験入店時に最低限チェックしておきたいこと

体験入店は、女性が高級クラブとの相性をチェックするためのものでもあります。
体入時には具体的にどのようなチェックポイントを意識してお仕事をすればミスマッチを減らせるのでしょうか。
その点についてまとめるので、ここでしっかりと確認しておきましょう。

高級クラブの客層

同じエリアにある高級クラブでも、お客様の属性や雰囲気などは店舗ごとに少しずつ異なってきます。
そして、その客層によって接客のしやすさやしづらさも変わってくるのです。
体験入店時には、こうしたお客様についての情報もチェックしておきましょう。

具体的にチェックしておきたいポイントとしては、

  • 年齢層(若い方が多いのか、リタイアされているような方が多いのかなど)
  • お仕事(経営者が多いのか、著名人が多いのかなど)
  • 雰囲気やキャラクター(賑やかなタイプが多いのか、しっとり落ち着いた雰囲気の方が多いのかなど)
  • お金の使い方(一晩で多くのお金を使う方が多いのか、適度に飲まれる方が多いのかなど)

といったところがあります。

自分が本格的に働くときに「接客しやすいかどうか」という視点でチェックすると判断しやすいかもしれませんね。

高級クラブで働くキャストの雰囲気

一緒に働くことになるキャストのチェックも欠かせません。
こちらも性格や年齢層、キャラクターや雰囲気などを体入時に確認し、「一緒に働けるかどうか」という視点で確認しておきましょう。

派閥の有無や上下関係を含めた人間関係もチェックしておくことをおすすめします。
特に控え室や更衣室など、お客様と接していない時の振る舞いや言動は要チェックです。

フレンドリーな対応だから、必ずしも良いとは限りませんよ。
厳しく指導してくれる先輩キャストの方が成長できると考える女性もいるでしょう。
あくまでも自分との相性や目指す働き方などに重点を置いてチェックするようにしてください。

高級クラブで働く男性スタッフの対応力

高級クラブで輝くのはママやキャストたちですが、それを支える男性スタッフ(黒服)なしでは、高級クラブは成り立ちません。
黒服の方たちの接客や対応などにも目を光らせておきましょう。

ママやキャストが気持ちよく働くために適切に動いているかどうかや、お客様への対応が素晴らしいものかどうかは、体験入店してみることで見えてきます。
無駄のない動きや、丁寧だけれども機敏な動きをしている黒服の多いクラブは間違いなく良いお店でしょう。

高級クラブ店内の清潔さ

高級クラブですから、清潔感のないお店は、まずありません。
しかし、細かなところに目を移すと、意外と気になる箇所が出てくるものです。

床にゴミが落ちていないのは当たり前。
その上で、椅子やテーブルの裏まで掃除が行き届いているでしょうか。
お客様が使うテーブル以外の台やオブジェなどにはホコリがたまりがちです。
そうしたところも綺麗に拭かれているでしょうか。

トイレなどもチェックしておきましょう。
どれだけ清潔にされているかで、お店の意識の高さもわかります。
もちろん綺麗なお店を選んだ方が、気持ちよく働き続けることができるでしょう。

体験入店終了後に不採用になる場合もある

高級クラブで働くには、面接と体験入店の2つのハードルを越えなければいけません。
つまり、体入させてくれたことが即採用という意味にはならないのです。
体験入店後に不採用になるケースがあることも知っておきましょう。

高級クラブで体入後不採用になる理由には、

  • お店側が求めるレベルに達していなかった
  • 接客態度や振る舞いが高級クラブにふさわしくなかった
  • 個性が強すぎて浮いてしまう可能性が高い
  • キャストやお客様とトラブルになった
  • その他、高級クラブのキャストなどに向いていないと判断された

などが考えられます。

個性などはキャバクラでは武器になりますが、高級クラブでは少し難しいでしょう。
そもそも、高級クラブはキャバクラとは違い、お店側の要求は多く、求められるレベルも高めです。
体入後に不採用になるケースは全然珍しいことでもありません。

もし不採用になってしまっても、落ち込む必要はないでしょう。
高級クラブは何店舗もあるので、自分に合ったお店を見つければ、それでいいのです。